2013年4月30日火曜日

【解析いろは3】アクセスログ解析は普通や一般では測れない

解析あるある。「この数値は一般的にどうなんですか」「普通はどう見るものなんですか」という質問。あるある!
この質問にはいつも困ってしまいます。【解析いろは2】でも少し触れましたが、解析データには客観的・統計学的な平均数値はないからです。しかしそういう回答を求める気持ちもわかるのです。人の価値観は基本的に比較することにあると思います。判断するにあたって、ある指標が多ければいいことだ、と言い切ってしまうほうがどれほど簡単か。

しかしですねぇ、アクセスログ解析は相対的評価なのです。相対評価で何らかの価値を客観的に測るには、そのデータ内で目標や基準設定をする必要があります。

「一般や普通はありません」と言い切るとかなり気まずいので、ロジックを簡単に説明した上で、あくまで個人的な経験値によりますが・・・とか、ロジックの筋道からするとこう考えるほうがよろしいかと思います、という感じで説明します。
一般や普通で語れないなら、次に出てくるのが「同業他社はどうなんだろう」という疑問です。
有料のインターネット視聴率調査を利用することで、競合他社と自社サイトの位置づけという把握が可能です。競合他社と激しいくしのぎを削っりあっていて、定点観測的・継続的にブランド認知や効果などを見たい場合はありかなと思います。ネットレイティングスではかなり昔(10年前くらい・・・)の値段で月額5万くらいからあったみたいですが、今はもっともっと上がっているかもしれませんね。

<参考>
ニールセン株式会社(旧ネットレイティングス):http://www.netratings.co.jp/
ビデオリサーチインタラクティブ:http://www.videoi.co.jp/

特定のキーワード、企業名でおおまかなトレンド把握をしたい場合は、無料のサービスもあります。
まずは色々な無料ツールを使ってみて、相対的な認識に客観性を付加していくのもよいかと思います。
<参考>
Google トレンド http://www.google.com/trends/?hl=ja

でも最終的には、やはりそのサイトのゴールを決めること・具体的な到達手段を考え、目標数値を設定し、どのように計測するべきかを決めることに戻ります。結局、ここからスタートし、ここに戻ってくるんですね。自社が思った以上に検索されていなかったりすると結構ヘコみますよ~。

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2013年4月29日月曜日

【解析いろは2】ログ解析と統計

ログ解析は統計学に使われる用語もちらほら出てきますし、似た手法で指数を測る場合もあります。説明をするときに、意図的に統計学の用語を用いて「なんかすごいこといってる感じ」を演出することもあるかもしれません。
では、ログ解析のデータは統計学的にどのくらいの精度なのでしょう? という質問をされたらどう答えますか?

私見では、「現時点では」統計と同じように考えると見誤る思います。解析ツールで取得できるデータの範囲(精度)も90%~95%程度、環境に左右されます。平均値が出しづらいというデータの特質があります。ただし今後、研究が進んで、解析統計学というものが出来て精度の高い、一般論が語れる調査ができるようになるかもしれません。
 データの精度だけで語ると「アクセスログ解析」は信用できないデータで、そのデータに基づく仮説検証に何の意味があるのか?という話になることもあります。そこでどれだけ説得力を持ってログ解析の有意性を説明できるかが、解析担当者の腕だと思います。私の答えはそのうちに。。。

2013年4月27日土曜日

【解析いろは1】アクセス解析の説明はリアルな例と時事ネタを使うべし

ITリテラシーがどうのこうのと言われていますが、ウェブサイト運用やECを本業にしていない限り、いや、そうであっても本当にエラい人でめちゃくちゃアクセスログに関して詳しい人は少ないと思います。社長さんでめっちゃ詳しいという人もいらっしゃいますがレアです。
かといって、社内でのウェブ担当部署や担当者さんがアクセスログ解析の基本用語を把握していない場合も責めるのは酷です。その企業のウェブサイトでの収益割合が低い場合は必然そうなりますし、分からなくて普通です。常識ではありません。勝手にリテラシーに入れないでください。
さらにさらに。解析を生業としていても、「ウェブ解析と有益性」をコンパクトに説明できる人はどれだけいるでしょうか。試しに、解析させてよと言ってくる営業さんや営業の電話に質問してみてください。納得できる回答があれば話を聞いてみてもいいかもしれません。

手始めに「アクセスログ解析ってなにすんの?」というところを説明するのに昨日、例えを思いつきました。 リアルな時事ネタの例を出すとぐっとわかりやすくなり親近感もわくでしょう。
関西在住なら分かるかと思います。関東の場合は、「大阪に最近オープンしたアレ・・・」という前フリを付けてください。
2013年4月26日に、大阪最後の一等地といわれる「グランフロント大阪」がオープンしました。飲食、物販の店舗以外の他に色々と仕掛けをしているのでも話題です。その仕掛けのひとつ、まち情報アプリ「グランフロント大阪コンパス」と解析についてこじつけてみました。
情報提供、レコメンドからゲーム要素まで盛り込んだ「コンパス」システムはグランフロント大阪の目玉の一つです。スマホがあれば、アプリを入れるとコンシェルジェサービスのように時々の新しい情報が提供される他、行動履歴や購入履歴から最適化されたレコメンド情報等が表示されます。
スマホ持ちでなくても、デジタルサイネー ジ「コンパスタッチ」とICカードを組み合わせてパーソナルな情報表示が可能だそうです。

で、解析の話。ウェブサイトではケースによっては個人情報に基づくレコメンドや情報提供をします。さらに、 ユーザーの行動を待つことなくどの階のどの入口から入場してどういう回遊をしてどの店に長くいて、アクションと関連づいていれば何をして、どこから出て いったか、というのがアクセスログで分かります。リアルにユーザーの行動把握と情報提供をする「コンパス」の初期投資は莫大だと思いますが、ウェブでは結 構簡単に、基本無料でこれだけのデータが得られるのです。という風に、アクセスログ解析に詳しくない人にも説明すると理解が得られやすいかもです。保証はしませんが!

<参考>
マイナビニュース:26日開設のグランフロント大阪、ソーシャルシティ基盤の実証実験を実施
http://news.mynavi.jp/news/2013/04/23/242/index.html

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