2013年6月28日金曜日

【解析いろは14】解析(または運用)の定番と逆転のセオリー

今回のテーマはセミナー…ではなく解析(または運用)におけるセオリーとは、がテーマです。

先日、 大阪で開催されたFacebookのセミナー「Find us in Japan」に行ってきました。Facebookページ作成の基礎講座あり、運用の話あり、広告の話あり、企業におけるFacebook活用の座談会ありで構成バランスは良かったです。参加者は広告代理店や制作会社の他、FBを活用したいという企業の人たちも来ていたようです。もともとスモールビジネス向けに集客して講演内容を最適化しているので、テクニカルな面では食い足りない面はありました。メインターゲットに合わせるなら、「スモールビジネスでの活用」「導入について」「インサイトの初歩の見方」等を強化すべきだろうな、とぼんやり思いました(余計なお世話)。
セミナーは、こと無料の場合は主催側の明確な意図と実施メリットを想定しているわけですから、それを了解した上で、興味があることを取捨選択し、聞き耳をたてておくと有意義かと思います。

運用の講演は知識の補足になりました。運用は日々のデータ解析と並行しながら行います。解析というほどこってりしてないけど、データチェックは運用の一環です。 そこでは解析と運用が不可分なわけです。
ソーシャルでも、アクセスログ解析と同様に定量と定性を計る指標があり、目標を決めた上でどの指標を見て達成したり、下げたりする施策を実行していきます。
Facebookのコンテンツに対する評価は、コンテンツをカテゴライズして対する反応率を見てカテゴリ別の評価をし、それをもって量を獲得したり質を高めたりする施策を考える・・・のがひとつのセオリーかと思います。わかりやすいですし施策効果も数字で提示しやすいですものね。この欠点は、中期的に見てコンテンツごとの評価の精度を上げること(つまり一過性でない法則、パターンを見出すこと)、それには相応のマンパワーがいる、ということだと思います。

座談会では売上げ規模や知名度ではスモールとは言い難い企業様方の、実際の運用の苦労やメリットの話で、非常に興味深かったです。その中でも、かなり興味深い運用事例がありました。詳細やデータ的な話はほぼなかったのですが、指標は「いいね!」の数。ファンの獲得が目標のようでした。 その企業さんがなにをしたかというと、すごく単純なことでした。

●記事を最低1つ、ほぼ毎日投稿する

●Facebook広告を利用する(スポンサード広告だったかと)

です。シンプル。さらに先程の運用の話であったコンテンツ毎の数字の解析はほとんどされていないとのこと。マンパワーが少ないこともあって検証の時間がない。ゆえに「出来ることを最大活用し、不足は資金(広告予算)で補う」方法になったわけです。
また、こちらの運用チームの中ではリーチする、反応がいいアンパイなコンテンツをがっつり把握できている点が最大の利点ですね。ああ、このヘンの話をもっとお聞きしたかった・・・今度インタビュー、いや研究させてくれませんかねぇ……

基本的には指標の数字を見てチューニングするのが定番のセオリーであるのですが、状況と目標によってはもっとシンプルにしてもある程度効果は得られる、ということもあります。セオリー通りにしようとすると、最初に予算を積んでいかねばなりません。効果は早い段階で得られやすいかもですが、最初から予算やマンパワーを割り当ててソーシャルに算入する企業はそう多くない、というのが非常に良くあります。ですので、逆転のセオリーとして、最初はこのケースのように 「出来ることを最大活用し、不足は資金(広告予算)で補う」方法を提案することもアリだなと。これが座談会で得た教訓でした。どういう形であれ、最初に効果が出たらヤル気が出るし、見せ効果として次のステップに進めやすいですものね。
今後、この企業さんに必要なことは、やはり時々数字の確認をすることだと思います。今の方法でのファンの獲得数や増加率をグラフ化してみるとよいかと思います。ある時点から急速に鈍化しているようであればこの方法だけでは行き詰まる時が遠くないと思います。ピンポイントで新たなタイプのコンテンツ投入をし、コンテンツバリエーションを増やすのも手かと思います。


蛇足ですが、座談会では深掘りされていないので(当たり前か)、上記の件で勝手に勝利条件を考えてみました。
◎企業及び商材のターゲット層が明確
◎(広告)予算がそれなりにある
◎運用の自由度が高い
◎すでにある程度のファン数を獲得している
◎運用チームが自社のことを良く理解し、かつ、かなり好き。(かどうは知りませんがそんな気配)
◎作成する記事がユーザーに高い確率で訴求する・伝わる
◎作成する記事にバリエーションが多くない(商材とか店舗案内とか)

こんな感じ。
セオリーではないけれど、企業がソーシャルで成功するために必要な条件がそこはかとなく見え隠れしてませんか? ほぼそれらをクリアできている前出の事例は相当恵まれていると思います。多くは上司や会社のソーシャルに対する共通認識や理解がなかなか得られず、広告予算もあまりなく、部署間での色々なしがらみがある。その壁を突破するには、担当者さんの努力の積み重ねと継続である、ということが今回の座談会での、あまり目立たないけれども確かな答えなのかもしれません。
説得するには効果を書類に、数字にする必要があるかと思います。解析が担当者さんの心強い味方になるようなレポートを作りたいです。はい。きれいに解析オチがつきました。

2013年6月25日火曜日

【Pick Up】1ツイート=約2,000円!?1ツイートが生み出す価値はいくら?

ニュースソース:ITmedia 「1ツイートが生み出す価値はいくら? ――収益とフォロワーの特性を見て最も効果が高いソーシャルに注力しよう」
http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1306/19/news083.html

コンバージョンを売上げ金額に換算したものだそうですが、運用管理のコストを考えると収益率は高くないのだそうです。一日、社内リソースを費やして1日あたりの収益が50~70ドル、マージンが20~30ドルらしいので粗利率が40%前後てことになるんですかね。どこかで見たんですが、ネット関連企業の利益率(ここでは売上高営業利益率)は40%~50%だそうです。数字だけテキトーに見ると及第点じゃない?と思われるかもしれませんが、Twitterでコンバージョンが稼げる会社は多くなく、管理運用リソースのレベルはもう雲泥の差。記事にもあるとおり、空いた時間にちょろっと見てツイート、なんてやってもなかなかコンバージョンに至らないのがおおかたの現実と思われます。

ソーシャルは時間をかけて育てていくもの。費やした時間が目に見えない信頼や評価というエンゲージメントを築き、そこから初めてビジネスの利益を生み出すことができると思います。
だから、クライアントや上司から
「ソーシャルやったら(なんだこの曖昧な名詞の動詞化は!) ウチの会社のブランド認知度上がるんでしょ。だったらやろうよ」
なんて、気軽にいわれてイラっとしたことがあるかもしれません。もし多少なりともソーシャルネットワークについて知っていたらそんなに気軽に言えないはず! しかし、そこで「知らないことを責める」というのは愚の骨頂です。愚かです。機会損失ですむしろ、 私が殺意すら覚えるのは、そういった黒いところを説明せずにまっ白ないいところだけを強調して導入だけさせて、後はほったらかし、というマーケやコンサルを名乗る会社ですね。
まずはソーシャルがどのようなものか説明して(メリットもデメリットも)、どのように運用していくべきものか、そして成果といえるものを出すにはそれを計測する仕組みと時間と労力が必要である、ということを理解してもらうことが大切だと思います。


記事の終わりのほうにあるまとめが、実に普遍的ですが重要です。
「さまざまなソーシャルメディアを比較し、『どのソーシャルが自社にとって最も生産性が高いか』を見きわめ、それに応じてリソース投資比率を変えていくことがソーシャルマーケティング成功のポイントだ」


まぁ、そうはいっても気になるのは効果測定です。1ツイートが2000円の利益を生むといっても自社、あるいはクライアントではどうか、というのは別問題です。
そこで出てくるキーワードは「アトリビューション分析」。GAではマルチチャネルというレポートです。
ソーシャル経由ですぐにコンバージョンできる単純な構造ならいいのですが、そう簡単にはいかない。広告を見て、あるいはソーシャルで認知して、それから紆余曲折を経て商品を買ったという場合に、直近のコンバージョンのポイントだけではなくどの媒体がどこまで貢献しているか、という点も見ていかなくちゃいけません。
直近のコンバージョン元でない限り、ソーシャル解析のいいね!やリツイート数だけではソーシャルネットワークがどれほど貢献しているかわかりにくい。ですが複数の媒体+関節効果を測定できれば一定の数値化は可能ですよね。
解析においても、今まで個別のツールでバラバラに計測せざるをえなかったのですが、ようやくこれで真にウェブ解析といえるウェブ総合の解析ができるようになってきました。解析する立場としては、各種媒体につてい学び、常に俯瞰的な視点を持つよう気をつけたいです。
といっても、アトリビューション分析は私も全然知識不足なので、今度勉強して、軽くまとめてみたいと思います。

2013年6月20日木曜日

【解析いろは13】サイト内検索の存在感

なぜかしら存在感が薄い「サイト内検索」の解析について、が今日のテーマです。GAでは2012/11くらいから実装されたのでしたっけ。それくらい、最近になって注目されてきたのですが、なぜ「いない子」扱いされるのかというと、
(イ)計測の設定していない(GAとかWordPressのプラグインを使う場合)
(ロ)検索機能部分を別のサーバのプログラムで動かしていて、サイト内とのアクセスログと連携していない

(ハ)サイト内検索の重要性が認知されていない

(イ)はむしろ後者の重要性の認知と関係していて、存在すら意識していないから計測していない、ということもあります。
(ロ)はレアケースだと思いますが、サイト内検索のみ別サーバのプログラムで稼働し、検索結果ページが表示され、本体のサイト内にリダイレクトされる、というイメージ。かつログが別々に収集されている、ですね。この場合はクロスドメイン解析で複数サーバのアクセスログを合わせて集計するしかないのでは?
ま、しかし多くの場合は(ハ)ではないでしょうかね。では、サイト内検索のメリットはどんなもんかといいますとこんな感じ。

(1)各ページのSEO対策
(2)ユーザー行動(満足度等も)が把握できる
(3)ユーザーニーズのリサーチ
(4)機会損失の低減

ウェブサイトなんてブラウザでクリックして次々画面を遷移するだけですよ。ユーザーのアクションの主なものは「クリック」です。物言わぬユーザーの、遷移をたどって我々解析側はコンバージョンに至る経路の改善とか、検索エンジンのワードとコンテンツの乖離とか仮説を立てますよね。それが、ユーザー自らが求める情報をご丁寧に入力して、その後、どのページを見てしばらく滞在していたとか、検索画面で離脱してしまったので相当まずいとか分かるわけです。


普通、アクセスログ解析にサイト内検索の解析も含んでいる(つまり一緒にレポーティングする)場合が多いのではないかと思います。一コンテンツのように扱って指標の数字をチェックして検索キーワード上位20件とかその程度のレポートであれば可能でしょうが、サイト内検索の解析は本気で向き合うと濃密で膨大なデータ群だと思います。
さらに、たいていの解析ツールサイト内検索そのものを解析するという点ではちょっと弱いイメージがあります(と、言えるほど他のツールをたくさん試したことがあるわけではないですが)。ちなみにGAではサイト内検索のク エリ(検索した単語やフレーズ)だけではなくリンク先ページ、再検索キーワードの他、サイト内検索をした訪問とそうでない訪問コンバージョン率の比較もできるようになってます。

サイトサーチアナリティクス※という本を読んで「サイト内検索スゲェッ!」と開眼したのですが、特に p105~の『Marko Hurstによる検索関連指標リスト』が個人的にはツボにはまりました。サイト内検索の指標、指標の目的と、考え方・ロジックを記載した注釈で構成されています。要はサイト内検索の指標はこんなのがあり、こういう結果を知りたいのでKPIとしてこの指標を採用する、みたいな一覧です。
この指標の整理方法はアクセスログ解析でも役に立ちます。慣れてくるとあれみてこれみて、を経験値に基づいて組み立てるわけですが、解析ツールごとに自分でこのようなリストを作成しておくと、指標の理解と有効な活用に役立つと思いました。ので、とりあえずGAでやってみるか・・・

サイトサーチアナリティクスに書いてあるケースは本気で検索と向き合い、膨大な時間と人力を費やしています。そこまで対応するのは容易ではないですが、日頃、もう少しサイト内検索を思い出してあげてもいいんじゃないでしょうか。解析の種別では、アクセスログ解析の一環になると思うのですが、ここだけ別に切り出して丁寧に解析し、3か月毎にチューニングしていくという方法もありだと思います。


サイトサーチアナリティクス: Louis Rosenfeld 著/清水 誠 監訳/池田清華、UX TOKYO訳



2013年6月17日月曜日

【Pick Up】:3年後に食えなくなるWebの職種

ニュースソース:3年後に食えなくなるWebの職種は何だ?【サイラボ川原崎xハフポスト松浦】
http://www.huffingtonpost.jp/2013/06/12/story_n_3431645.html

恐ろしいタイトル!記事は「Webメディア業界のキャリアデザインって?」というミーティングの要約です。まあ、最終的には「その人次第=その人がどう生きたいか」なのですが。ですが、IT業界にいて、自分の数年後の在り方、キャリア形成、そこに到達するまでどう具体的にステップアップしていくかを考えるきっかけになるかもしれません。

「Webメディア周りの仕事は寿命が短い」

それを前提に、以下、恐ろしい、「今後衰退する職種」の仮説が挙げられていました。
・Googleの検索システムが最適化され、検索エンジンで自サイトを上位に表示させるための職種・SEO
同意。個人的には全部自動化されてほしい。人力でやる意味が全然ないから。
・ライティングのスキル
消滅するというより、元々ライティングへの「専門性」への金銭評価はあまり高くないところへ、普通に適当に書ける、ネットを調べれば情報があるという環境から総じて減少、だそうで。私はテキストマニアでちょっとした文脈、言い回し、表現方法がかなり気になります。小説や本の現状を見ると残念ながら衰退傾向にあるというのは外れてないだろうけど、先鋭化した部分は生き残ってほしいです。

で、私はこれに下記の職種も追加します。
 ・コーディング
検索システムの最適化で、SEOと同様HTMLソースのフォーマットが進む。
 ・ウェブプログラミング
JqueryとかオープンソースのCMSの進化で必要な機能はすべてパッケージ化、ライブラリ化されつつあるので。プログラミングというとなんかスキルありそうですが、社内システムや機関系システム開発は需要が大幅に減少し、かつ海外の安い労働力に市場を奪われています。
・ウェブデザイナー、ウェブディレクター
このジャンルも専門化していくのではないでしょうか。よく聞かれるのは「いい人いませんか?」というまるで婚活のような言葉。デザインだけ、ウェブの進行だけ、じゃなくて顧客と対話しながら円滑に進めていく、複数の人間が携わる場合は調整をするといった能力を求められるようです。


システムの知識や営業トークのスキルを持ってディレクションすると、他の職種の人の気持ちがわかるというメリットがあり、「30歳くらいまでに色々やって おくといいのでは」と述べた。川原崎さんも「ディレクションされる側からすると、やったことのない奴に指示されたくないって感情はありますよね」と同意。
だそうですよ。でもまさしくその通りだと思います。じゃあ、経験のない自分はどうすれば……と思う向きもおありでしょう。そこで対応力が問われるのです。わからないから教えてください!路線もよし、知ったかぶりをするもよし、黒幕としてうまーく操るもよし、ではないでしょうか。

 
 結論は、
「人の心をつかまえるスキルのある人が残る」 +経験
だそうです。分かったような分からないような(笑 
先鋭化したスペシャリストでもゼネラリストでもいいのですが結局どちらも高いスキルがないと通用しない、というオチでした。

IT業界はロングテール型で、現在もめちゃくちゃアナログな制作市場も存在しています。どのポジションで糧を得るかは、生き方の選択です。幸いなことにIT業界は学歴はほぼ関係ありませんので、自分自身でどうにかなることが多い。でも、定年まで勤務先の会社がある保証はありません。それはどこの業界も同じですが、ITは興るのも潰れるのも尋常でない早さです。
衰退すると挙げられた職種において問われているのは「今のまま、同じことをやっていてもダメなんじゃないか」ということだと思うのです。それは業界としての成熟を意味するので、決してペシミストの溜息ではないと思います。

あ、忘れてました。いわゆるウェブ解析士も数年で食えなくなるスキルだと思います。解析ツールは日夜進歩しています。ちょっとした現状の欠点やアドバイスもデータから導き出されて表示する機能がすでに実装されています。ツールの進化の結果、解析の市場の人的需要がすぐに縮小しても不思議ではありません
スペシャリストになるか、ゼネラリストになるか。人の心をどう捕まえるか。いかに自分をプロデュースしていくか。マーケターの端くれとしては自分自身が格好の実験台だと思いませんか。

2013年6月14日金曜日

【Pick Up】あべのハルカス、グランフロント大阪に見るソーシャル戦略

あべのハルカス、6/13開業でしたね。知人が言ってましたが、高層階のマンションは完売だったそうですよ。日本にもいるんですね富裕層が!
今回のキーワードは「ソーシャル戦略」。大阪を賑わせている大型商業施設もちゃっかりしっかりソーシャル戦略やってます。ソーシャルと言わずにコミュニティ、と言ってますが似たようなもんです。(強引)
あべのハルカス 縁活 http://en-katsu.info/
グランフロント大阪 ソシオ http://www.grandfront-osaka.jp/socio


さて、キタのグランフロント、ミナミのハルカスが出揃ったわけですが、仕掛けとして共通している点があります。コミュニティ形成と拠点の提供です。ちょっと面白いと思ったので適当に考察してみました。むりやり解析的なことととくっつけたりしますが、軽く流してください。

■ソーシャルと構成成分の差
内容は両者で結構な差があります。ハルカスでは地域住民(女性、子供づれ、ファミリー、高齢者向けの健康?)が重視されており、プログラムも市民団体、NPO法人、ボランティアグループが主催しています。グランフロントではもう少しおハイソなサークル活動です。

まず、活動内容については地域の差が現れていると思われます。 あべのというエリア、かつて仕事で良く通ったのですが間近に居住エリアがあります。普通に住宅街。ちょっと行ったら北畠・帝塚山もあります。ファミリー層、高齢者層も多くいるわけです。従って、このコンセプトにこのプログラムというのは納得です。
あと阿倍野は交通の要ですから、夕方から夜間に働く女性向けに何かプログラムがあるといいんじゃないでしょうか。なんで働く男性にプログラムがないかって? そりゃあ・・・需要と供給の問題ですよ(偏見)。

グランフロントは地域性は薄く、ある目的をもって人が集うというイメージです。まさしくサークル活動ですね。都会的といいますか、アクティブな大人が集うイメージです。もちろん全年齢対象なサークル活動もあるのですが、ぱっと見ても大人世代。そもそもグランフロントの店舗ラインナップ、価格帯がビジネスと、ちょっといいものを求める大人世代な感じですね。H&Mがあってもユニクロがないというところに現れているのでは。これで、ダイソーがなくてTIGERがあれば、さらに納得なんですが。
ただし公認サークルが現時点で4つというのはちょっと寂しいですね。まあグランフロント公認コミュニティですからヘンな布教とか啓蒙とかされないように審査が厳しいのかもしません。それぞれのサークルがFacebookページを持っているのも「今」風ですね。
いずれも新しい場所らしく、コミュニティというのがキーです。これ、企業活動などでSNSを利用するのと似てませんか? ネットもリアルでもソーシャル流行ってるなあとしみじみ思いました。


■どっちがいいの?
はい、じゃあここから適当さが炸裂、もう少し深く考えてみました。コミュニティの質が違う上に統計的な参加人数、波及効果の数字は公表されていないため独断と偏見です。真に受けないでください。

「縁活」はコンセプトとターゲッティングがしっかりしており、ここが大きな違いなんですが、
コミュニティデザイナーなる人がいて企画ありきで色々テコ入れしています。団体やグループの誘致、プログラム内容のアドバイスも関わっているんじゃないでしょうかね。それくらい統一した意思を感じます。つまり、
ソーシャルの形成と深化を促す施策を実施している
といえます。
どうも「縁活」そのものは期限があるらしいので、それをふまえてのソーシャルの認知度向上と利用方法の提案、というプロモーションという風にも見ることができます。
では、「ソシオ」はどうか。
まだ開業2か月程度ですが、開業当初は3サークルでした。現時点で4つ。誘致やアピールとかきちんとしているのかちょっと不明です。やっていたとしても成果はまだ出ていないようですね。
http://www.grandfront-osaka.jp/socio/howtojoin
これ、ソシオの参加方法のページなんですけど、この図。元はパワポじゃない!? これ普通に企画資料じゃない!? 本当に一般市民に「のび太、参加しようぜ!」て言う気があるのかちょっと不安になりました。

ネット上でしか伺いしることはできませんが、例えばFBページにしても運用に関してサポートがあるのかどうか。あるにしては、いいね!数が少ないような気がします。
…すいません、ウチのFBページも人のこと言えません。あと「4いいね!」なんです!それで、それでうちのインサイト様が顕現する……。

■強引にまとめ
この二つのコミュニティ形成の手法、似ているようでいてコンセプトもターゲットもコンテンツも違います。縁活はプログラム=コンテンツを各種用意して幅広い層を集客ソシオはサークルが主体で、これという目的を持っており自主活動を重視。しかし集客のための手段が弱い。認知度もまだまだ。後者のほうが早急に手を打たなければならない気がします。が、本当にそうですかね?

集客のためのコンテンツはさておき、ソーシャルの形成はプラットフォームの提供だけではできません。縁活は最初にプロを入れて道筋をつけて一気に集客と認知度を上げています。しかし期限後、縁活はどのようになるのかはわからない。プロモーションと一緒なのですね。
ソシオは現時点での認知度向上と集客が問題で、ウェブのコンテンツ改良やFBページの運用方法のレクチャーなどで部分的にテコ入れできそうです。プロモーションはすべきでしょうが、今後は優良なコンテンツホルダー(サークル)をどれだけ増やせるかがポイントになりそうです。とすると、やはりグランフロントのソシエ部門の営業力と情報収集力そして情報発信の強化が今よりも必要かとつまり、商材よりも事業改善で受注率を上げるというそっちの施策になるのかなと思いました。

実際、Facebookマーケティングというものはアナログであり、それがゆえにコストがかかります。このコストと目に見える数値の効果というのが現時点では直結し難いのも、ソーシャル解析の現状であります。 また、ソーシャルの性質上、コミュニケーションは血の通ったものでないとユーザーはすぐに離れていってしまいます。でもね、ちっ、めんどくせぇな。。。と思ったらそこで試合は終了です。時に、これらコミュニティは想像も付かないムーブメントを起こしたり、暖かいフォローをもらえることがあるのです。このプライスレスな部分を生む、最良の土台作りがソーシャルの醍醐味なんじゃないでしょうか。そしてクライアントとその情報と目的を共有することが、やっぱり早道なんじゃないですかね。そりゃ一日のプレゼンテーションで納得なんてムリでしょ。

■身近なテーマで考えるトレーニングでした

ま、ちょっと強引ですがこういう風に手元にある材料で仮説を立てて軽く分析するトレーニングっていいですよ、という話。ネタにもなります!

2013年6月13日木曜日

【GAの壁】プロファイルとフィルタの扱いは慎重に

今回のお題はプロファイルとフィルタの壁です。取扱い注意の壁です。
GAにはフィルタという機能があります。自社内からのアクセスを除外したり、特定のフォルダだけを計測する、あるいは部署ごとにプロファイルを作成して異なるデータを計測する、といったことができます。他の解析ツールでもデータをフィルタとかフィルタリングで絞り込むとかやりますよね(ツールと設定場所によっては元データの加工である場合もありますが)。いわゆる「フィルタ=取得したデータの絞り込みやセグメント」ということなら、GAではアドバンスセグメントという機能です。
あ、そうそう。GAIQにフィルタとアドバンスセグメントの比較とか正誤問題、すごくたくさん出ます。フィルタでできること・できないことや、設定をどこでするか、など。
GAで言うところのフィルタは取扱い要注意だと個人的には思ってます。

GAにおけるフィルタの特長をばっくり書くと、
・取得するデータそのものの加工
・設定後のデータに反映
・設定期間内に取得したデータは復元や変更ができない
・フィルタの設定内容によっては競合してデータが全く取れなかったりということもある。

なんかフィルタって便利だしデータがすっきりしそうだからどんどん追加しちゃえーといい加減に扱っていると、データがおかしくなったり指標とサマリーの数字が合わなかったり(なんでフィルタで誤差が出るのかわからないですが)、設定前の期間と設定後の期間でえらく数値に差が出て比較にならなかったり。本当に取扱い要注意です。自社アクセス除外とか基本設定以外のフィルタをかけていない生プロファイルをひとつ、絶対に残しておくべきです。

聞いた話なんですが、フィルタを作成して適用していたのですが、不要になったので削除したら大元のデータまで全部消えた、ということがあったそうです。つっこんで聞けなかったので何が起きたのか全くわからないですが、GAでは下記のような構造になっています。

アカウント
 ┗プロパティ(計測サイトA) UA-1234567_-1とかいう感じのトラッキングID
    ┗プロファイル1 (計測サイトAのデータ オリジナル)
    ┗プロファイル2 (計測サイトAのデータ制作部門)←フィルタやコンバージョン、目標設定                                      はプロファイル設定で個別にできる

プロファイル2を削除したつもりがプロパティを削除したのか、あるいはもとからプロファイルが一つしかなくてそのプロファイルを削除しちゃったか。またはアカウントそのものを削除したのか…

余談ですが、GAIQでは設定関連の問題もたくさん出ます。それは、便利だけれど設定関連の文言や定義、できること、できないことを理解しておかないととんでもないことになります。新たにアカウントを作成して新規にデータを取るのであればいいですが、個人的には他の人が設定したところは触りたくない。ユーザーにしてください。案件でGoogle analyticsを見る場合はそのための新しいアカウントを面倒でも取るべきです。 で、管理者にまずアカウント作成をしてもらってからユーザーで追加してもらう。あるいは一時的に管理者にしてもらう。が、望ましいです私的に。
管理する側も「知らない、わからない」で済ますのもどうかと思います。自分とこで管理している以上、基本構造や管理に必要な知識は当然備えているべきです。それが情報とリスクの管理というものではないですかね? 厳しいですが、無料、有料のツール選定、サポートの厚さも含めてあるツールを選んだということの責任だと思います。解析ツールを選ぶときは出来ることだけじゃなくて、出来ないことを知るべきだし、提供側も出来ることと出来ないことをきちんと伝えたほうがいいと思うんですけどね。。ムリですかね、やっぱり。


そして削除したデータはどうなるかというと、元には戻りません。公式サポートにそう書いてあります。
https://support.google.com/analytics/answer/1009714?hl=ja
ネットを探すと、ヘルプセンターに連絡して、復旧できたケースもちらほらあるようです。しかしこれは例外です。基本は削除すればパー。終わりです。そのことを肝に任じ、管理者はプロファイルの扱いは慎重に! ヘルプセンターで復旧できたという話を聞いて思ったのは、「やっぱりGoogleは削除したデータも一定期間は残してるんだな」でした。
あれ?これフィルターの話でしたね。 えーと…だから、生プロファイルは大事ですよ、管理はもっと大事ですよということで。

こういうことがあるから、GAでもバックアップに生ログをダウンロードできるようにしてほしいのですが、プレミアムでもやっぱりなさそうですね。

2013年6月10日月曜日

【GAの壁】サマリーと個別の指標の数字が合わないことがある

GAでサマリーと指標の数値が一致していない現象ってありませんか?私は数度遭遇したことがあります。
サマリーでは該当カテゴリの指標を俯瞰できるように表示しているわけですから当然一致していると考えてました。なのに、あ わ な い。解析のデータ取りまとめの最中にこういう現象が出てくると一応「なんで?」というのを確認しなくてはいけないため時間がかかる上、ナゾが解けない場合が多すぎてモヤモヤが残ります。

私の遭遇したケースは、
(1)サマリーと「新規訪問者とリピーター」の新規訪問割合
(2)ソーシャル解析のサマリーでの「ソーシャルを経由した訪問数」と参照元別の「訪問数」の合計
(1)の場合は、フィルタの内容によってはそのようなことも起こり得るようですが、結局理由は不明。
(2)の場合だと、サマリーではすべてのソーシャル経由のユニークな数を表示しているのかもしれません。でもどこにも書いてないし、どうとでも取れますよね。
サマリーでの表示は、単純に個別の指標をひっぱってきて表示しているものではない・・・違うロジックで再計算してる?という疑問が浮かび、今もすっきりしてません。
もちろん、数字が合う場合のほうが圧倒的に多いのですが、数少ない合わない現象に遭遇したときに、計算の違いや仕様なんて解析側では把握不可能じゃないですか、仕様が公開されていないから。指標や計算は同じでもサマリーはフィルタやなにかの影響を受けるということなら、それはそれでおかしいと思います。なんでそんなややこしいことしてるんだよ。

できるだけ、このような解けない謎を生まないためにも、
・フィルタは関係者で共有(常識ですが、フィルタをかけてない元データは絶対に保存)
・アドバンスやカスタムレポートの形式は関係者で共有
・継続的に見る場合はどの箇所の指数を見るということを決めておく
というルールを作っておく必要があると思います。

理想は計測前にきちんと設計をしてルールを皆で共有しておくことが望ましいのですが、解析設計の考え方はまだまだ浸透していないように思います。
継続して解析を行っている場合は、一度見直して現状把握と改善を、これから新しく解析を始める場合は、最初に設計を考え、状況の変化や要望に応じて変えていく+変えたところを共有する。ということをやっていきたいです。
結局、クライアントにわかりやすい、満足度の高いレポートというのは、目的と評価基準の認識がどれだけされているか、によると事あるごとに感じています。

2013年6月8日土曜日

【Pick Up】Facebookへのマーケティング効果の期待と実感の落差

ニュースソース:ITmedia 
Facebookのマーケティング効果を実感しているマーケターは37%――米調査結果発表
元記事:
Only 37% of Marketers Think Their Facebook Advertising Is Effective [Study]

最近ソーシャルネタばっかりですいません。いま結構どっぷりなんでつい目がいってしまうのです。

記事内には下記の記載があります。
・マーケターのソーシャルメディアの利用 97%
うち、Facebookは49%でダントツですね。やはりソーシャルではマーケティングしやすく使いやすいプラットフォームなんですね。


・ソーシャルメディアはマーケティングに積極的に活用すべき 86%
・Facebook広告が効果的と考える 37%
見出しはここから来てます。この後に下記の文章が続きます。
「this a metric that shows Facebook marketing isn't effective, or is it really to do with the fact marketers aren't properly tracking those Facebook efforts into ROI?」
 Facebookマーケティングが効果的でないか、あるいはマーケターがROIの中に含まれるFacebookの効果について適切なトラッキングをしていないんじゃね? (超意訳) 
ま、驚くべき低さだといいたいのでしょう(超意訳)。

FBからの流入→サイトでの購入などのコンバージョン ということになるともう少し流入元としての効果を期待したくなりますし、効果計測もある程度可能です。ブランド認知や訴求、企業イメージ向上をソーシャルで醸成する、とかいうのも営業的なウリですよね。
「Facebook広告が効果的と考える 37%」の内訳や詳細は不明のためなんともいえませんが、Facebookへの期待度と広告効果の落差にちょっと失望している・・・ということでしょう。

アメリカでの調査と記事ですが、この落差、「効果」 についての実感はおそらく日本でも感じられるのではないでしょうか。
まず、ソーシャルというものは効果測定や評価が非常に難しいです。指標は色々ありますよ。いいね!とかエンゲージメント率とかリーチとか。取得しているデータだってたくさんありますでも、そのどれか一つを取っても、クライアントが期待する「効果」に直結しないのです。 特にブランド好感度とか認知度などはFBインサイトやその他ソーシャル解析ツール、いや、アクセスログ解析ツールでも直接的に導き出すことはできないものです。と、いうことをまずきちんと、クライアントも解析する側も認識した上で、ソーシャルツールとそ効果測定、解析手法と判断基準について論じるべきだと思います。


大企業のマーケターほど「Facebookは効果的」と捉える傾向が強い。小企業やあまり知られていないブランドの場合、Facebookマーケティングの効果はあまり見られない。


これまた厳しい調査結果が(笑)
ソーシャルで認知度やブランドを広めたい場合は、地道な努力が必要です。その努力、人的コストや広告はROIに換算すると厳しい結果になり、短期間での成果が得られず、継続が難しい。だから効果がない、という調査結果になりやすいのかもしれません。

ここでも問題になるのが「ソーシャル」なのです。ソーシャルで何をするのか、どう在りたいのか。そのビジョンをもって、時間をかけてコミュニケートしていくことがソーシャルなのであって、ソーシャルという集団にアプローチできるからマーケ効果があるよ、なんていうことは軽々しく言えないと思います。

ですので、記事にある通り、「効果が低いからやらない」というのではなく「何のためにどのようなソーシャルを形成するのか何をもって効果とみなすのか、効果を出すためにはどのような施策を行うのか」という認識が必要だと思います。

まあ、この記事を見て思ったのは、
ソーシャルでクライアントが期待する形での、目に見える効果を目に見える形(数字とか)で出すのはやっぱり難しいよねーということでした。そこを何とかするのが解析側の仕事じゃん!と言われればそうですが。

2013年6月4日火曜日

【Pick Up】百貨店のソーシャルギフトサービス、をソーシャル解析で調べてみた

ニュースソース:みんなどう使ってる? 百貨店のソーシャルギフトサービス
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1369360221925.html

大丸松坂屋がSNSからギフトを送るサービスを開始したそうです。スタートは2013年2月なので、率直に言うとあまり広まっていないような気がします。て、自分の認知だけでモノいっちゃいけませんね。そこで、適当に調べてみました。(適当ですよ、ほんとーに)

●ウェブ検索状況を見る
Googleトレンドで見てみました。キーワード「ソーシャルギフト」*大丸松坂屋+ソーシャルギフトでは出てこなかったので。
3月あたりに話題になってますが、ニュースソースはよそのサービスですね。



 ●Twitterでどれだけ話題になってるか見る
Topsy使いました。リンクと、それに関するTwitterでの言及の状況がわかります。
まあ、なんだ。多いとはいえないですね。
 ◎ツィッターのみ


 ◎ウェブの関連記事


●Facebookでどれだけ話題になってるか見る
Facebookの検索機能でもいいんですが。
□ 日本語Facebookページ(ファンページ)ランキング
旧ファンページのキーワード検索が可能で、そのファンページのいいね状況などもわかります。前日比での増加がセキララに分かってしまうところが面白い。


 kurrently.com 
公開されているFacebookページのキーワード検索ができるらしい。「ソーシャルギフト」では該当なしでした。

□本家Facebook 検索
「ソーシャルギフト」で該当するFacebookページ。こちらも公開されている投稿の該当はなしでした。
ちなみにニュースソースの記事ではいいね数が


これ調べるだけで1時間足らず。精密な認知度はこれだけで分かるものではありませんが、『ソーシャルを基盤とするサービスを提供しているにも関わらず、ソーシャルであまり話題になっていないんじゃない?』ということはぼんやりと分かります。全体の戦略は不明なのでなんともですが、Facebookでサービス提供しているのにFacebookページがないとか、企業ページでもアカウント押さえてるだけな感じで、ソーシャル戦略ちゃんとあるのかなと心配になったりします。そもそも本家でソーシャルツール使ってないのにソーシャルが絡んだサービス展開ていうのがヤバイ。だって、帰属するプラットフォームがないわけじゃないですか。新商品のリリースとかファン獲得とかどうやってするんですか、ねえ・・・? 


でも大丸松坂屋のメールマガジンてすごいんですよ。クーポンとかポイントアップとか。私はほいほい吊られてしまうw メルマガの訴求と集客はすごいと顧客の立場からですが、感じます。百貨店の軸足ってやっぱりリアルの集客と購入じゃないですか。集客や購入の陰りがあるからオンラインショッピングとかソーシャルやってみました、というんじゃなくて、百貨店ならではのソーシャルの有り様というものを見せてほしいなあと思います。私、百貨店スキーなので本当に応援したい。

2013年6月3日月曜日

【解析いろは12】ソーシャル解析の流れ(メモ版)

後日、自分の中で一連のソーシャル解析のフローをまとめるためのメモです。結論ではなく思考の道筋と参考記事なので、結果だけが必要な場合は読む必要はないと思います。

●企業CRMにおける変化とソーシャルの有意性
<参考>ITmedia:ソーシャルメディア対応CRMと従来型CRM、3つの違いとは?
http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1305/21/news058.html

CRMとはCustomer Relationship Managementです。この辺の説明はソーシャルの有意性やCRMの一環としてクライアントに必要かどうか判断するため&説明するためのもの。なんとなく流行ってるから「のび太、ソーシャルしようぜ!」だと失敗するのは明白ですから。でもクライアント側はそのなんとなくからの発想でも許されます。むしろ相談を受ける側がきちんと説明をするための知識。
でも実体験からいうと、どっちも勢いでやろうぜやろうぜ!というが多いし、そういうのに限ってROI算出とか効果測定やってないケースが多いです。で、効果測定しましょうといっても、効果が出てないことを恐れて、結局やらなかったり。

●ソーシャルマーケティングで
<参考>4回 「ソーシャルでマーケティングはここまでできる」、最も身近なビッグデータとしてのソーシャルデータの活用法 (1/2)
http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1305/28/news002.html


解析の前段階の、マーケでの有用性とデータをどう見るかというところの話。
・マーケティングデータとしてのソーシャルデータの位置付け
・フロー視点での分析の実際
・ストック視点での分析の実際
の3項目が使えるかな。

私もよくやりますが、ロジックを説明する際の例えはどう反応していいかわからない微妙なものが多い。これはアカンと思ったのは昔の戦略とか戦術に例えるケース。三国志とか第二次世界大戦とか。それ、例えになってない(笑 例えはある説明をより分かりやすくするための手段で、誇大広告ではありません。

●ソーシャル解析の手法(ロジック)
ここは自分の中でかなり混沌としてるので整理に時間がかかります。ここではFacebookについて。
大切なことは、
(1)Facebookページの目的(クライアントのネット戦略のゴール、ソーシャルのゴールとKPI)
(2)Facebookインサイトにおける指標の理解

(3)別の解析ツールを利用する場合の指標の理解(インサイトとのずれ、データのひっぱり方など)
(4)KPIを測定するための指標の組立(どの指標を使うか、どう判断するか)

『ソーシャルという壁』(http://kaisekiiroha.blogspot.jp/2013/05/10.html)でも書きましたが、クライアントにレポートが伝わらないのは(1)が明確に認識されていないから、(4)が共有されていないから、だと思います。なんとなくいいね数!の多寡だけを見ているからお互いに「これで利益出てるの?」という話になる。いいね!は記事に対するPV(=量の測定)と考えると、その数だけを見ても効果が実感できないのは当然ですよね(KPIによってはそれでいい場合もある)。


(4)は、例えば企業ブランディングの場合はこの指標でこんな判断基準、商品購入の場合はこういう指標と外部サイトのコンバージョン率とこの判断基準。これはアクセスログ解析でも重要な課題です。統計学的な母数を持たないためケースバイケースというのが当たり障りのない回答ですが、当然そんな答えはみなさん求めてないはずです。

これから解析に本腰を入れる場合は貪欲に経験値を求めるべきですし、ある程度経験済みの場合はこのロジック部分を整理しておくことが、解析業務においては重要だと思います。それが、仮説に根拠はないとか、解析者の経験に左右される、という、よく指摘される事への回答になると思います。

2013年6月1日土曜日

【解析いろは11】RSSフィードの計測

RSSフィードの計測、してますか。どうやってしてますか。
ウェブビーコン型だと意図的に計測をしない限りデータがとれません。サーバログやパケットキャプチャ方式で初めて問題になります。今日のお題は「RSSフィードの計測ってどうよ?」という話です。

サーバログやパケットキャプチャ方式では非HTMLファイルの計測が普通にできます。RSSはもちろんPDF、画像、スタイルシートの呼び出しなどなど。問題になるのは「どれをどのように認識するか」だと思います。PDFは多くのブラウザで閲覧できるため、HTMLと似て非なるものとしてPVと同様に考えることにムリはないように思います(*注1)。問題はRSSフィードですよ。
「RSSのPVが増えて、サイト全体のPVとの割合が増加しています。それだけ閲覧されているということなのでうれしいです。」
というふうなコメントを聞いたことはありませんか? クライアントから聞く場合は、「あ、なるほど」と思います。勘違いするのは当然だからです。(解析担当が言ってはいけませんけど)。

まず、「RSSのPV」という点がひっかかります。正確にいうとヒット数ですが、解析ツールによってはPVという単位を使って表示しているかもしれません。解析ツールの仕様の確認が必要ですが、ヒット数とPV数は定義が違うので、仮にフィルタしていたとしてもちゃんと使い分けてほしいです、解析ツール側では。
そもそも、RSSのヒット数あるいはPV数と表示される数字を、ウェブサイトのHTMLのPV数と混ぜるなキケン!です。なぜなら、RSSの訪問主体(といっていいものかどうか)は多くはRSSリーダー、すなわちプログラムです。こいつらリーダーやブラウザのアドオンは一日に何回も巡回しやがるわけですよ。しかも、リーダーでぱらっと概要を読んで、サイトに訪問しない人も多くいるはずです。だからRSSフィードに対するアクセスの多さは素直に喜んではいけないのです。

前述のコメントに対しては、

「RSSのPVが増えた」=PVという認識でいいのか?ヒット数だとしても・・・(下に続く)
「サイト全体のPVとの割合が増加」=HTMLのPVと比較・混同してはいけない

「それだけ閲覧されている」=主体が人間ではない可能性が高いので閲覧されているとはいえない。
というツッコミができます。明らかにツッコミを入れるのではなく、ひとつひとつ解きほぐして説明したいものです。

なんでRSSの解析や効果測定が難しいのかは、下記記事でどうぞ。
Web担当者フォーラム:実はRSSフィードの解析や効果測定は非常に難しい。なぜだかわかるかい? http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2007/08/27/1822
2007年という古い記事ですが、RSSフィード解析の内容把握と理解の難しさは解消されていないように思います。解析ツールや解析のスクリプト、モジュールは結構あるのですが。
とはいえ、RSSは流入元としてまだ期待値が高いのも事実です。最近はFacebookやTwitterなどのソーシャルに押されがちですね、メディアが異なるので同列で考えてはいけませんけどね。

私の今のところの結論は下記の通りです。私ならこう理解していてこう説明して対応する、というだけで、もしかするとHTMLのPVと合算してもいい!増えるからいい!という見解もあるかもしれません。しかし、ユーザーという指標を考えると、PVの主体は人であり、計測においてはボット、プログラム類はできる限り除外すべきであり(注2)、ひとつのアクセスログ解析ツール上でRSSフィードのアクセス主体を識別、分類できない場合は加算すべきでない、というのが個人的な見解です。あと、指標について、数字の多寡だけで判断するのはどうかと常に思ってますし。
RSSはHTMLのアクセスログ解析からは別計上する(でもこの項目は別に見られるようにしておく、でも別ツールとの数字の差異は追求しない、不毛だから)。
RSSの効果測定は、そのような機能がオールインワンで解析ツールにない場合は外部サービス(例: FeedBurnerなど)を使って計測する。

但し、RSSフィードからのサイトへの流入がブログのように大きく全体に影響する、ということでなければ、ここまで労力をかけてもどうなん?という気がします。すべての事象を把握し解析するには一つの解析ツールでは不足しています。どこまでその範囲をひろげるかは、サイトの目的や方向性によります。今後ソーシャルで展開したいのに今更RSS?ってこともありますよね。

【注1】余談ですがGoogle analyticsでのPDFの計測
以前記事に書きましたのでどうぞ。http://kaisekiiroha.blogspot.jp/2013/05/gagapdf.html

ポイントは、イベントとして個別に計上したい場合はイベントトラッキング、サイト全体のPVと割合比較をしたいのならバーチャルページビューでいいんじゃないかと思います。ただしPDFの場合であって、RSSは混ぜるなキケンだと思ってます。

【注2】そうはいってもRSS計測ツールでボットを排除してないケースもあるようなので、完全に除外とはいきません。精度の問題は脇に置いて、人・訪問者が主体であるウェブサイトのアクセスログ解析と分けるという点が重要だと考えていますハイ。