2013年6月28日金曜日

【解析いろは14】解析(または運用)の定番と逆転のセオリー

今回のテーマはセミナー…ではなく解析(または運用)におけるセオリーとは、がテーマです。

先日、 大阪で開催されたFacebookのセミナー「Find us in Japan」に行ってきました。Facebookページ作成の基礎講座あり、運用の話あり、広告の話あり、企業におけるFacebook活用の座談会ありで構成バランスは良かったです。参加者は広告代理店や制作会社の他、FBを活用したいという企業の人たちも来ていたようです。もともとスモールビジネス向けに集客して講演内容を最適化しているので、テクニカルな面では食い足りない面はありました。メインターゲットに合わせるなら、「スモールビジネスでの活用」「導入について」「インサイトの初歩の見方」等を強化すべきだろうな、とぼんやり思いました(余計なお世話)。
セミナーは、こと無料の場合は主催側の明確な意図と実施メリットを想定しているわけですから、それを了解した上で、興味があることを取捨選択し、聞き耳をたてておくと有意義かと思います。

運用の講演は知識の補足になりました。運用は日々のデータ解析と並行しながら行います。解析というほどこってりしてないけど、データチェックは運用の一環です。 そこでは解析と運用が不可分なわけです。
ソーシャルでも、アクセスログ解析と同様に定量と定性を計る指標があり、目標を決めた上でどの指標を見て達成したり、下げたりする施策を実行していきます。
Facebookのコンテンツに対する評価は、コンテンツをカテゴライズして対する反応率を見てカテゴリ別の評価をし、それをもって量を獲得したり質を高めたりする施策を考える・・・のがひとつのセオリーかと思います。わかりやすいですし施策効果も数字で提示しやすいですものね。この欠点は、中期的に見てコンテンツごとの評価の精度を上げること(つまり一過性でない法則、パターンを見出すこと)、それには相応のマンパワーがいる、ということだと思います。

座談会では売上げ規模や知名度ではスモールとは言い難い企業様方の、実際の運用の苦労やメリットの話で、非常に興味深かったです。その中でも、かなり興味深い運用事例がありました。詳細やデータ的な話はほぼなかったのですが、指標は「いいね!」の数。ファンの獲得が目標のようでした。 その企業さんがなにをしたかというと、すごく単純なことでした。

●記事を最低1つ、ほぼ毎日投稿する

●Facebook広告を利用する(スポンサード広告だったかと)

です。シンプル。さらに先程の運用の話であったコンテンツ毎の数字の解析はほとんどされていないとのこと。マンパワーが少ないこともあって検証の時間がない。ゆえに「出来ることを最大活用し、不足は資金(広告予算)で補う」方法になったわけです。
また、こちらの運用チームの中ではリーチする、反応がいいアンパイなコンテンツをがっつり把握できている点が最大の利点ですね。ああ、このヘンの話をもっとお聞きしたかった・・・今度インタビュー、いや研究させてくれませんかねぇ……

基本的には指標の数字を見てチューニングするのが定番のセオリーであるのですが、状況と目標によってはもっとシンプルにしてもある程度効果は得られる、ということもあります。セオリー通りにしようとすると、最初に予算を積んでいかねばなりません。効果は早い段階で得られやすいかもですが、最初から予算やマンパワーを割り当ててソーシャルに算入する企業はそう多くない、というのが非常に良くあります。ですので、逆転のセオリーとして、最初はこのケースのように 「出来ることを最大活用し、不足は資金(広告予算)で補う」方法を提案することもアリだなと。これが座談会で得た教訓でした。どういう形であれ、最初に効果が出たらヤル気が出るし、見せ効果として次のステップに進めやすいですものね。
今後、この企業さんに必要なことは、やはり時々数字の確認をすることだと思います。今の方法でのファンの獲得数や増加率をグラフ化してみるとよいかと思います。ある時点から急速に鈍化しているようであればこの方法だけでは行き詰まる時が遠くないと思います。ピンポイントで新たなタイプのコンテンツ投入をし、コンテンツバリエーションを増やすのも手かと思います。


蛇足ですが、座談会では深掘りされていないので(当たり前か)、上記の件で勝手に勝利条件を考えてみました。
◎企業及び商材のターゲット層が明確
◎(広告)予算がそれなりにある
◎運用の自由度が高い
◎すでにある程度のファン数を獲得している
◎運用チームが自社のことを良く理解し、かつ、かなり好き。(かどうは知りませんがそんな気配)
◎作成する記事がユーザーに高い確率で訴求する・伝わる
◎作成する記事にバリエーションが多くない(商材とか店舗案内とか)

こんな感じ。
セオリーではないけれど、企業がソーシャルで成功するために必要な条件がそこはかとなく見え隠れしてませんか? ほぼそれらをクリアできている前出の事例は相当恵まれていると思います。多くは上司や会社のソーシャルに対する共通認識や理解がなかなか得られず、広告予算もあまりなく、部署間での色々なしがらみがある。その壁を突破するには、担当者さんの努力の積み重ねと継続である、ということが今回の座談会での、あまり目立たないけれども確かな答えなのかもしれません。
説得するには効果を書類に、数字にする必要があるかと思います。解析が担当者さんの心強い味方になるようなレポートを作りたいです。はい。きれいに解析オチがつきました。

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