2013年6月20日木曜日

【解析いろは13】サイト内検索の存在感

なぜかしら存在感が薄い「サイト内検索」の解析について、が今日のテーマです。GAでは2012/11くらいから実装されたのでしたっけ。それくらい、最近になって注目されてきたのですが、なぜ「いない子」扱いされるのかというと、
(イ)計測の設定していない(GAとかWordPressのプラグインを使う場合)
(ロ)検索機能部分を別のサーバのプログラムで動かしていて、サイト内とのアクセスログと連携していない

(ハ)サイト内検索の重要性が認知されていない

(イ)はむしろ後者の重要性の認知と関係していて、存在すら意識していないから計測していない、ということもあります。
(ロ)はレアケースだと思いますが、サイト内検索のみ別サーバのプログラムで稼働し、検索結果ページが表示され、本体のサイト内にリダイレクトされる、というイメージ。かつログが別々に収集されている、ですね。この場合はクロスドメイン解析で複数サーバのアクセスログを合わせて集計するしかないのでは?
ま、しかし多くの場合は(ハ)ではないでしょうかね。では、サイト内検索のメリットはどんなもんかといいますとこんな感じ。

(1)各ページのSEO対策
(2)ユーザー行動(満足度等も)が把握できる
(3)ユーザーニーズのリサーチ
(4)機会損失の低減

ウェブサイトなんてブラウザでクリックして次々画面を遷移するだけですよ。ユーザーのアクションの主なものは「クリック」です。物言わぬユーザーの、遷移をたどって我々解析側はコンバージョンに至る経路の改善とか、検索エンジンのワードとコンテンツの乖離とか仮説を立てますよね。それが、ユーザー自らが求める情報をご丁寧に入力して、その後、どのページを見てしばらく滞在していたとか、検索画面で離脱してしまったので相当まずいとか分かるわけです。


普通、アクセスログ解析にサイト内検索の解析も含んでいる(つまり一緒にレポーティングする)場合が多いのではないかと思います。一コンテンツのように扱って指標の数字をチェックして検索キーワード上位20件とかその程度のレポートであれば可能でしょうが、サイト内検索の解析は本気で向き合うと濃密で膨大なデータ群だと思います。
さらに、たいていの解析ツールサイト内検索そのものを解析するという点ではちょっと弱いイメージがあります(と、言えるほど他のツールをたくさん試したことがあるわけではないですが)。ちなみにGAではサイト内検索のク エリ(検索した単語やフレーズ)だけではなくリンク先ページ、再検索キーワードの他、サイト内検索をした訪問とそうでない訪問コンバージョン率の比較もできるようになってます。

サイトサーチアナリティクス※という本を読んで「サイト内検索スゲェッ!」と開眼したのですが、特に p105~の『Marko Hurstによる検索関連指標リスト』が個人的にはツボにはまりました。サイト内検索の指標、指標の目的と、考え方・ロジックを記載した注釈で構成されています。要はサイト内検索の指標はこんなのがあり、こういう結果を知りたいのでKPIとしてこの指標を採用する、みたいな一覧です。
この指標の整理方法はアクセスログ解析でも役に立ちます。慣れてくるとあれみてこれみて、を経験値に基づいて組み立てるわけですが、解析ツールごとに自分でこのようなリストを作成しておくと、指標の理解と有効な活用に役立つと思いました。ので、とりあえずGAでやってみるか・・・

サイトサーチアナリティクスに書いてあるケースは本気で検索と向き合い、膨大な時間と人力を費やしています。そこまで対応するのは容易ではないですが、日頃、もう少しサイト内検索を思い出してあげてもいいんじゃないでしょうか。解析の種別では、アクセスログ解析の一環になると思うのですが、ここだけ別に切り出して丁寧に解析し、3か月毎にチューニングしていくという方法もありだと思います。


サイトサーチアナリティクス: Louis Rosenfeld 著/清水 誠 監訳/池田清華、UX TOKYO訳



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