2013年10月1日火曜日

【解析いろは24】個人情報保護方針を時々思い出してやってください

今回はちょっと難しいような、でも最近ホットなテーマとつながっているので無視できない話題です。
サイトに掲載している個人情報保護保護方針、最近チェックしてますか? 

“顧”客から“個”客へ、というのが近時のマーケティングの主流です。ユーザーが「求めるもの」を差し出すのは当たり前で、「まだ知らないけど欲しいと思わせるもの」を提供するような時代です。従って、会員登録制度を取り、ログインしてもらって行動履歴と購入データを結びつけて詳細に“個”を分析することがもはや当たり前になってきています。

では、ユーザーに対しては、いつ、どういう目的でどの範囲でこれこれの情報を取得し利用する場合があります、とアナウンスしているのでしょうか。 通販事業者の場合は、会員登録時に規約や個人情報保護方針を見せて同意してもらっているのが通常だと思います。まー、ほとんどの人がきっちり読んでないですよね。また、最近では行動ターゲティング広告やリターゲティング広告についての記載が追加されていると思います。さらっと告知されていたりメールで届いたりしていたかもしれませんが、ほぼスルーじゃないですか。

今後、個人情報の取得や利用について、よりわかりやすい表示と同意が求められる可能性があります。


経済産業省 「IT融合フォーラムパーソナルデータワーキンググループ報告書を取りまとめました」(2013/5/20)
http://www.meti.go.jp/press/2013/05/20130510002/20130510002.html


概要版が分量もコンパクトでわかりやすいです。日米の企業活動におけるIT投資や分析対象データの比較などもとても興味深いです。日本でも分析の対象はぐっと広がることでしょう。ウェブ解析だけやってればいい時代は過ぎてしまったのかもしれません。

どういうことに注意するべきか、覚書です。

(1)説明
(2)ユーザーの選択の自由の保証
(3)透明性の確保(どういう仕組みで情報を収集しているか、など)
(4)データの安全性
 + 
(5)ユーザーのメリットを明示、提供

ちなみにディミトリ・マークス著の「データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」」でもこのことに触れています。そこに書かれているように、データ収集と分析は、ユーザーに知られてはいけない後ろ暗いものであってはなりません。データを明示された目的と手段で収集し、ユーザーに高い付加価値を渡すことが重要だと述べています。
個人情報の在り方も、ユーザーの認知や周辺情報や法律の整備によって変わってきます。
また、個人情報は収集する側もユーザー側もよくわかっていないことが多いので急に守りに入ったり壁を作ったりします。守る方に行き過ぎると、例えば地域社会での孤立といった弊害もあるわけです。
両者の理解と了解、その手段が確保される、相互にシアワセな関係になれる制度を期待します。

前記の報告書概要に記載されていた、
「昨今のパーソナルデータを巡る消費者と事業者の間のトラブルの多くは、事業者が消費者の期待を裏切る形でパーソナルデータを利用したと評価され、社会的な批判を受けるというものである。」
 という文言はしっかりと覚えておきたいと思います。
 
ちょっと置き去りになりがちなのですが、各種データ分析を仕事にしている以上は知らないでは済まされません。時々、いや結構な回数で個人情報保護方針ちゃんのことを思い出してやってください。

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