2013年7月27日土曜日

【PickUp】アトリビューション分析は本気出すと準備だけで10か月、予算は億単位

アトリビューション分析は本気出すと準備だけで10か月、予算は億単位。さすがSUUMOさんは違うぜ!伊達にモシャモシャしてないぜ!(そういう意味ではありません)
本気でアトリビューション分析をする場合は取り組みの準備、仕組みの構築、ヒューマンリソースの確保など、予算以外にも検討・決定事項が山ほどあります。そこまでする意義を会社が認めているからこそ承認されたプロジェクトなんでしょうが、逆にこの成果が出そうにも出にくいものに対して承認したリクルートという会社もやっぱりただ者でないんだなあと思いました。
掲載は去年の記事ですが、かなりおもしろかったですし、実際の業務で役立つコメント、考え方もあると思います。そんな予算うちにあるわけねーし、そこまで解析やってねーし、と思わずに、解析担当者なら読んでソンはないと思います。なぜなら広告の最適化の先にあるのがアトリビューション分析だからです。

参考記事:http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2012/06/13/12915
Web担 「需要予測とアトリビューションを連携。オトナの事情に負けずに分析→最適化を推進:リクルート小川氏×アタラ有園氏 対談」
内容はSUUMOサイトのアトリビューション解析と広告施策について触れられています。あと社内の壁とか。アトリビューション分析の効果測定、手法や運用の難しさ厳しさについても触れられています。おそらくこの点は1年後の今でもそう変わっていないのではないでしょうか。ざっと流して読むだけでもなんか腑に落ちる点が多いです。
ウェブ系の広告会社の営業担当がアトリビューションを語るとき、定義と効果を明確にせずに、「間接効果」というものを自分たちに都合よく使っている話も、最近耳にします。
この対談でも語られているように、アトリビューション分析は分かりやすい効果に結びつけることは難しく、広告やSEOの最適化をやるだけやった、その次のステージにあるものだと思います。
 以下、印象的だった箇所をちょっと引用します。

“ロジックは感情を反映するので、その人の思いや、やりやすさで一番良いものは変わってきます。”

解析者がどういう軸をもち、何を目指して解析設計をし、データを整理するのか。根本的な問題で、スタートでありゴールですよね。 だから、解析ツールでもない、小手先のTIPSでもないここでの「思考」が重要なのかな、と思いました。また、やっぱり統計学の知識は必要だと思いました。数式は覚えなくてもいいと思うんですが「予測」が絡んでくると当然必要。普通にアクセスログ解析で現状把握とか改善する分には出てこないかもですが。

“月次でモニタリングする際にはセッションベースでみることを統一しておきます。アトリビューシ分析をするのは、コスト削減や集客予算の最適化のためであって、報告のためではありません。報告は通常のモニタリングとは別の軸で行うことが大切だと考えています。

“アトリビューション分析をやる時点で評価軸を変える必要があります。セッションからユーザーにすること自体がドラスティック”

解析をやってると、ただでさえつじつまが時々合わないデータだから、せめて解析は軸をぶらさないでおこうと考えがちです。なんかすっきりした!

“Googleアナリティクスの「マルチチャネル」レポートを見てほしいですね。成果のうちアシストが含まれる割合が2割~3割なら、アトリビューション分析に力を入れる必要はないと思います。(中略)SEOやリスティング広告をやりきって、さらに何かをという段階ならば、アトリビューション分析をしてみるのは良いことだと思います。 ”

すべてのところでアトリビューション分析が必要かどうかはわかりません。ムリにやる必要はないけど、もし確認したいのであれば今使っている解析ツールや広告管理ツールをまず見てみることからスタートなら、我々にも出来ることですよね。

最後に下記を引用します。

“アトリビューション分析という考え方自体は正しいと思います。誰でもわかるはずです。セッションではなくユーザーを見て分析しようというのはベースにあって、ここはみな同意できるわけです。(中略)、やろうとしている人が情報共有して、みんなで情報を出しあって頑張っていくのが第一だと思います。当たり前のものとして定着していくことを目指したいですね。”

■余談
先日とある会合の立ち話で、「(会社としては)解析一本だけじゃ売れない。広告から入るのが常套手段だよね」という話題が出ました。これは売方というか営業方法の話なのかもしれませんが、現実問題として、解析というパートだけでは商材になりにくい、むしろ難しいです。
マーケティング会社やコンサル会社が解析業務を商材とするのは、コンサル、提案、提供する情報ありきですし、社内で自社サイト、あるいはクライアントのサイトの解析に携わっている場合は、おそらく運用や制作の延長です。今回の対談のアラタ合同会社はマーケティング、コンサルティングの会社です。とすると、解析業務単体で商材としての価値や市場はどうなんでしょうね。
昨今ビッグデータとかセクスィー解析学とか、今ちょっと解析がホットな感じです。統計学的なデータ分析に引きずられるように、ウェブ解析という業務も新しいステージに移行するのかもしれません。

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