2013年7月16日火曜日

【PickUp】EコマースとCLVとSNSの密月はウソ?

昨今注目されているマーケのキーワード、「カスタマーライフタイムバリュー(顧客生涯価値)(CLV)」。アメリカのマーケティングリサーチ会社のCustona社の調査によると、オーガニック検索を経てアクセスしてくる顧客がCLVが最も高く、優良顧客率が高かった。。。という結果だったそうです。

”優良顧客率が低かったのはソーシャルメディアからの流入顧客だ。Facebookからは1%、Twitter経由では-23%という結果に終わっている。 ソーシャルメディアのコンバージョン率は高いと思われがちだが、今回の調査結果から見ると、むしろ従来型のメールマーケティングの方が効果が高いといえる。”

ニュース元:http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1306/28/news050.html
元記事(英語):http://searchenginewatch.com/article/2277756/Most-Valuable-Ecommerce-Customers-Come-from-Organic-Search-Study


そもそもCLVとはなんぞや、というと「顧客満足度を上げてとの良い関係を長く保って、お金やなにやらを継続して落としてもらう幸せな関係」(超意訳)と言う感じでしょうか。正しい定義は検索してくださいネ! 新規顧客を獲得しつづけるのはコスト面も大変だし市場も限られている、という理由もあります。
近時、企業がこぞってFacebookやTwitterなどのSNSを活用しようと乗り出してくるのは『顧客との直接的な接点を増やして企業や商品イメージをアップしてCLVをあげたい』という考えがあることが多いと思います。もしくはマーケやコンサル会社が『SNSを通じてユーザー、潜在的顧客を獲得し、優良な関係を築いてCLVを上げていきましょう』的なプレゼンをしているかもしれません。
 この調査結果では、ソーシャルは確かに流入のチャネルにはなっているけれども、CLVはあんまりだよな、ということが透けて見えたわけです。

“Social media is generally accepted as a common contributor in the path to conversion, and sometimes is the last click or only click in a conversion funnel. However according to Custora, clients coming from social networks don’t stack up against the CLV of clients coming from other channels.

 何が言いたいのかというと、SNS=集客の要になる、CLVの向上に資する、といったことを「=(イコール)」で結ぶのではなく、冷静に受けとめる必要があるということです。 このニュース、特に日本語の抜粋だけ読んで「SNSはCLVに結び付かない、やっぱりSEOとメルマガとCPCで優良顧客を増やしていくべきですよ!」 という結論に結びつけるのもいかがなものか、と思ったり。
この記事の見出しも「~ウソ?」なんてちょっぴり装飾してみましたが、SNSが新しい流入チャネルとして重要であることは変わらないだろうし、SNSを通じてCLVを上げることも可能だと思います。今回の調査はEコマースに限定しているようなので、そうでない会社とSNSとの関係は異なるかもしれません。また、統計的には十分な母数を備えていますが、あくまでも傾向の平均値になるため、本当に自社やクライアントにこの結果が該当するか・しないかというのも考えなくてはなりません。
データというのは事象の分析結果の一端なのですが、言いよう・使いようによってどのような印象をも与えることができる、という好例ともいえますね。今流行りの統計学的思考を身に着けよう、ではないですが、真に受けすぎない・軽んじすぎないさじ加減が必要かと。
でも主張する側に立ったときは主張するメリットに対して論理を貫き通すことが必要ですよ。どのようなことにもメリット・デメリットはあるのですから、そこでどちらにも配慮した平たい論旨を展開すると聞いている側は「どっちやねん」と感じ、不信感が募るだけですから。


ネット関連の施策はリアルのキャンペーンや広告よりもはるかにとっつきやすく、コストも比較的安く済む。また、効果計測がやりやすい。というメリットが高いのは事実です。リスクを考えすぎてやらないよりも失敗を含めやったほうが結果が得られやすい、やったもの勝ちな面があるのもネットだと思ってます。企業ではどうしてもリスクヘッジをしたがりますが、どっちかというとリスクマネジメントをすべきだと、最近すごく思います。

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