2013年8月15日木曜日

【Books】SEXY? データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」

”小さな数字から、企業価値を変える新しい試みを。”
タイトル:SEXY LITTLE NUMBERS データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」/日経BP社
著者:ディミトリ・マークス、ポール・ブラウン 
私的評価:4点/5点

あらゆるデータを元にビジネスを、業務を改善していくための考え方と、実例の紹介です。Tips本やノウハウ本ほど具体的に方法論を提示しているわけではありません。万能の計算式があるわけではありません。「自分(達)はこう考えた」「これをやった」ということを、目標ごとにクローズアップして述べています。
・自分の知らないビッグデータ分析ビジネスというものを俯瞰して見る。
・あまたのビジネス書同様、自分の業務に当てはめたり空想で補ったり、自分なりに噛み砕く
ということができるなら得るものがあるかと思います。

◎目次
第1章 リトルデータでビジネスを成長させる
第2章 ターゲティング-誰にアプローチするか
第3章 メッセージ-何について話すか
第4章 ロケーション -どこで顧客を見つけるか
第5章 予算 -いくら費やすべきか
第6章 測定 -何が有効か、有効でないかをどう把握するか
第7章 最適化 -有効なものをさらに活用し、無効なものを排除するには
第8章 アナリティクスの未来
1章~7章の末尾には必ず「月曜日の朝にすること」という、簡潔なまとめがあって、これを実行しろよ、やらなくちゃ読んだ意味ねえよ、と言ってるようです(意訳)


書いてあることはさほど難しくもなく、目新しくもありません。分析せよ、仮説を立てろ、実行して検証しよう。業務改善に役立てよう。当たり前のことです。でも当たり前のことを通す、実行することはとても難しい。それがビッグデータ、超グローバル企業のコンサルや分析であっても同じだということが分かって、なんだかほっとしたのでした。文中に「がっかりした」「失望した」というワードを見るたびにニヤニヤ。解析における仮説を「非科学的」という顧客候補(そのくせ自分たちの判断は経験則に基づくというから矛盾している)、理由なく数字に反発するクリエイティブチーム、分析と営業、あるいはウェブ管理部門との遠い距離。ああ、あるある。乗り越えるために、分かり合うためにどうしたか、ということも、簡単ですが書いてあって面白かったです。

個人的には第5章の「予算の配分」、第6章の「重要なものを測定する」「データのビジュアル化」、第7章「クリエイティブへのフィードバック」がツボにはまりました。全編を通してデータをどのようにプレゼンテーションするか、というのが頻出するのですが、すべてにおいて「分かりやすく、シンプル」なんですね。
 「あることを正確に伝えたい」というのが、私の場合は文字数の多さに出てしまって、メールを読むのがしんどいとよく言われます(笑) でも書いてないと絶対後で説明を求めるじゃんよ! 
この本を読んで、最小限の言葉で短く伝え、相手から聞かれたら立て板に水のごとく語ろうと決めました。


余談。
セクスィーというとふーじこちゅわ~んか壇密しか浮かばないのですが、「魅力的な」という意味合いなんですね。魅力的という言葉にSEXYを使うところに欧米と日本の違いを少々、感じました。日本じゃセクスィーとは言わないでしょうなあ。きゃわわデータ、とか、データかわゆす、とか。

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