2013年8月21日水曜日

【PickUp】機能からサービスへ~サイト内検索

ニュース元 :MarkeZine
「サイト内検索」がECを変える!「スピードとおもてなし」に大手ECも熱い視線を注ぐ、ゼロスタートの「ZERO-ZONE Search」
http://markezine.jp/article/detail/18219


当ブログで6月に「【解析いろは13】サイト内検索の存在感」というタイトルで書いたのですが、ECサイトのみならずどんな企業サイトでも重要だと思います。サイトサーチアナリティクスはもっと注目されてもいいと何度も(以下省略)
小ネタとしてアマゾンとの検索対決もやってみました(適当なので結果を信用しないでください。ダメ、絶対)。

(株)ゼロスタートの「ZERO-ZONE Search」 はサイト内検索エンジンです。システムだけではなく解析支援やレコメンドといったソリューションを提供しています。追加モジュールの「ItemRank(アイテムランク)」というのが細やかで、検索結果を自動で最適化する機能なんですけど、検索結果の精度調整の他、検索結果からのコンバージョンや在庫数も反映するらしい。導入の初期費用が、このオプションの導入だけで300万円(ライセンス一括購入の場合)からですから、本体の「ZERO-ZONE Search」のほうはいかほどかと……商品数が膨大で、レコメンドやサイト内検索が生死を分けるECサイト、企業サイトが導入するのでしょうね。

ひやかしでアマゾンと検索対決

で、おもしろ半分ひやかし半分で、導入先のTSUTAYAオンラインショッピング*(TSUTAYAオンラインは別システム)で「テルマエ(+DVDカテゴリで絞り込み)」と入力してみました。同じ文言でamazonでも検索してみました。登録されている商品点数や仕組みが違うので比較にはならないですが、両者の違いがちょっと感じられて、面白かったです。
レコメンドの鬼・アマゾンは阿倍寛推しか、テルマエ・ロマエ以外の出演作のDVDが出てくる出てくる。繋がりがよく分からない商品もレコメンドから? テルマエで検索した人が良く買っているDVD?そしてTUTAYAオンラインの検索結果の一番下のアダルトDVD、タイトルにテの字も入ってないのですが。出演者つながりか?もしかして・・・「まえ」で一致?まさか!
ちなみに「本カテゴリ」でも軽く試したところ、TUTAYAオンラインショッピングの検索機能ってタイトルと著者のふりがなを部分一致で検索してるんだな……と思いました。青山テルマとか。建てる前に~とか寝てる間とか。DVDカテゴリのアダルトDVDは「まえ」で一致したんだろうな……などと、何で一致を見ているのかチェックするとじんわり笑えてきます。
この結果では、圧倒的質量とレコメンデーションの細やかさでアマゾンのほうが、ユーザーとしては使い勝手がいいなあと思いました。しかもカスタマイズできますしね。TUTAYAのほうはカタいというか通りいっぺんの検索結果という印象。内容に踏み込んだレコメンド情報は入ってないのかなと思います。検索結果最適化のモジュール等は導入していないのかもしれませんね。
ECにおいて、検索がユーザーに訴求する機会ということがなんとなく分かりました。

サイト内検索は“サービスへ”

モノの販売でで重要なのは、実店舗、ネット問わず「察すること」だと思います。全ての人が的確に、自分がほしいものを商品名から価格まですぱーんと店員に伝えることは数多くはないでしょう。
本記事にも掲載の通り、スマートフォンなどの利用者拡大で様々な人々が検索するようになったわけです。まず期待した通りのキーワードを入力するとは限りません。何度も検索キーワードを変えて試すということは難しいでしょう。タブレットやスマホでは打ち間違いは良くあります。

“ECの利用者のボリュームゾーンがアーリー・マジョリティーからレイト・マジョリティーへと移りつつある。そのため、これまでのユーザーが難なく使ってく れていた機能も見直しを図り、できる限り迷わず簡単に目的にたどり着ける仕組みにすることが、離脱を防ぐ一番の対応策となる。

  “検索エンジンこそがECにおける“コンシェルジュ”になる”

つまり、機能からサービスに変化しつつあるのですね。
アマゾンの検索結果の一番下に下記のメッセージが表示されます。これは明確にサービスという位置づけだと思います。
他のサイト内検索エンジンでも最近このようなメッセージが表示されるサイトがあります。検索も機会のひとつと捉えてお客と向き合うという姿勢の現れかと思います。 
ちなみに検索=コンシェルジェという認識が早かったのはIKEAだと思います。2009~2010年くらいにはコンシェルジェのannaはすでに登場していたと思いますよ。まるでチャットしているような感覚で検索できるのだからスゴイ。
話はそれますが、コンシェルジェサービスとしてマイクロソフトはかなり早期にオンラインチャットを導入してます。こちらは生身の人間。シアトル公立図書館だったかなあ・・・確かここもチャットで色々聞けました。しかも24時間対応だった!試しにやってみたらすぐにレスポンスがあってびっくり!(今はどうかわからないですが)

なぜ進まない?サイトサーチアナリティクス

(1)コスト
レコメンドもできて最適化もしてくれて自動クロールをしてキーワードを検索DBに格納してくれる。こんなに便利なのに利用が広範ではないのは、やはりコストが大きいと思います。ECサイトは、実店舗がなくても、最小の投資でインターネットを通じて日本や世界に販売できる、というのが強みです。しかし可能性はあっても、実際に売る場合は集客施策をしないとお客さんは来ません。また、実店舗より手軽、という点が出店の動機なのであれば、資金の余剰はあまりないと思われます。もしかしたら売上げ向上に資するような優秀なサイト内検索システムだとしても、コストを回収できる見込みがないとさすがに手を出せませんよね。

(2)リソース
検索キーワードのリソースが自分がアクセスできるところにない、ということもありえるのではないでしょうか。Googleサイトサーチの場合はGoogleアナリティクスで確認ができます(設定が必要)。モールの場合はどうなんでしょうか。楽天市場は独自の解析システムはあるようですが、どこまで検索ワードが把握できるかはナゾです。
また、同じ社内でありながら管轄や管理部署が違う、というケースです。ウェブの管轄は広報やマーケ部門が多いと思うのですが、社内のシステム管理の部門がサーバを押さえていて、検索キーワードのDBからリストを出してもらうのも部署が異なるので上司に申請が必要、といったケースも考えられます。

(3)解析しない
サイト内検索の結果を誰が解析するのか、という問題があります。また、何をどう見たらいいかわからないのでキーワードランキングだけ見てSEO対策に役立てているという話も聞きます。  使わない・やらないよりずっと果敢に攻めていると思います。

機能の向上か、サービスと位置づけるか

いきなり検索エンジンの精度向上のために外部のお高いシステムを導入するのは、コストや効果の点でそれが最良の選択になるかはわかりません。どうすればいいのでしょう? 
現状のままで
サイトサーチアナリティクス、サイト内検索を解析すること
で、現状や必要性は認識できるはずです。(きれいにオチた!)
もちろんSEOにも役立つのですが、SEOは外部の検索エンジンへの対策で、必要なのは内部の検索エンジンの適正化が主眼です。

・取得しているデータの種類をざっと並べて把握する。DB項目一覧をシステムに頼んで出してもらうのも手。
・検索エンジンにおけるKGI、KPIを決める。これはログ解析と同じです。検索エンジンを機能と位置づけるのか、一歩進んでサービスと位置づけるのかでKGI、KPIは違います。
・KPIを観察し、改善のためにどのような施策が必要か考える

例えば、検索結果に該当がない場合、無粋なnot found の文字だけでは探す気もなくなるでしょう。レコメンドほどがんばらなくても、例えばお問い合わせフォームへの大きなボタンを設置するといった対策で、もしかしたら離脱率を下げられるかもしれません。また、商品の省略形の入力が多いのに該当なしの結果を返しているとしたら、検索エンジンのチューンナップが必要です。と、これくらいのことはサイト内検索のデータが入手できれば出来るものなのです。
今まで後回しにされてきたサイト内検索ですが、ECサイトを中心にサービス化した検索機能が広まりつつあります。 まずは自社のサイトのサイト内検索がどうなっているか、解析をしてみてはどうでしょうか。あれ、ニュースとあんまり関係ないオチでしたね・・・。

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