2013年9月14日土曜日

【解析いろは22】Facebookの広告は使えるか?(リカバリー編)

先日とある勉強会でFacebook広告について聞かれて、ついネガティブな印象の反応をしてしまいました。スミマセン。できるだけ正確に答えようとして部分しか説明できていなかったので、ここでリカバリーしたいと思います。
自分が言いたかったのは、
「通常のウェブ広告と同じ集客効果を期待し、同じやり方をすると失望する」
ということです。
ファン数を増やして、コンテンツからリンクを張って本サイトに誘導する。その先の会員登録であったり商品購入のコンバージョン率はどうですか? もし本サイトへの直接の流入に較べてコンバージョン数やコンバージョン数が高いのならすばらしい!(奇跡だ!)ですが、外部サイトでのコンバージョンを目的とするとFacebookは即効性があんまりないと思ってます。海外ではこんな調査結果(参照元:ITメディアマーケティング Facebookのマーケティング効果を実感しているマーケターは37%――米調査結果発表)もあります。ま、しかし結論を急がないでください。

問い:Facebook広告は使えるのか?
答え:Facebookでの目的と「効果」を決めエンゲージメントを高めるコンテンツと広告の方法の戦略をしっかり作れば効果が出る、はず。
 
まずは、広告の性質の違いに注目です。
Facebook広告とGoogle広告の効果の違い 
参照:SEO Japan 13/1/16記事


グーグル広告は以下のように説明されています。
グーグルは目的地ではなくリソースである。ユーザーはグーグルを使って何かを見つけようとする。グーグルを利用する短い時間においても、複数の広告を提示する機会が存在する – まず、ユーザーが実施する有料検索広告はすぐに売買の価値をもたらす。

対して、Facebook広告はこんな風な説明です。
ユーザーをコアのサイトに留まらせることがフェイスブックの目標である。そのため、ユーザーをフェイスブックに留める機能の広範なインフラを用意しており (eメール、動画、メッセージ送受信等)、内向きの広告戦略はこの点を反映している。関心およびユーザー層のデータによるターゲティングは強力なツールで あり、ユーザーおよびスポンサーの双方において関連性の面で効果が見込めるものの、積極的にトラフィックをフェイスブックの外に向かわせ、ブランドのサイ トに導く行為には向いていない。

で、Facebook広告の特長については下記が端的に表していると思います。
フェイスブックは有料検索ではない。ディスプレイでもない。そして、その他のデジタルチャンネルとは異なり、ブランドのウェブサイトにトラフィックを直接送ることがフェイスブックの強みではない。
とはいえ、日本でもフェイスブックエクスチェンジというリタゲ広告の取扱いが始まったようなので、だんだんと検索広告との区切りが薄れてくるかもしれません。

じゃ、Facebookは何に使うのがよろしいのか、というと、これですよね。

●ブランディング
●ロイヤルティ向上(あるいはユーザーからの推奨のプラットフォーム)

前に「ロイヤルティリーダーに学ぶソーシャルメディア戦略」という本のレビューでも書きましたが、ブランディングやロイヤルティの計測は解析ツールだけでは難しいのも事実です。しかし本当に自社のブランディングや顧客ロイヤルティが成果に結びつくというステージに達しているのであれば、実施するべきだと思います。
例として、Twitterですが、ニッセンとファミマのKPI、KGI、LTVの簡単なレポート記事を引用します。
Twitterの公式アカウントのKPI、KGI、LTV分析
トライバルメディアハウス、ニッセンなど2社のTwitter公式アカウントのマーケティング効果を測定

KGIのブランド想起率、好意度、購入意向調査はアカウントのログ分析から出てきません。すべて別の調査です。
そんな調査、コストがないから出来ないんですけど! という反論もあるでしょう。確かに。ですので、出来ることとしては、KPIとその結果の間に何らかのつながりを仮定して見ていくことかな、と思います。マーケの第一歩でそこからスタートですよね。




いいね数を数多く集めることについて補足しておきます。
リーチの範囲はある数から減少します。これはコミュニケーションを目的とするソーシャルの性質上当然なことです。ファン数1万人~2.5万人でリーチは17.1%という調査結果があります。最大25000人が分水嶺になってるようですね。(情報元:ガイアックスメディアラボ http://gaiax-socialmedialab.jp/facebook/169 13/1/15記事)
まあしかし、リーチの裾野を広げるために、いいね数は大いに越したことはありません。
ですが、ですが。
前から色々いわれている「いいね!」を買ってファンを増やす問題があります。
また、ある程度のファン数を広告で獲得したからといって、それが質に結びつかないことは多々あります。広告をテキトーに全世界に向けて打ったらあら不思議。結構いいね数が集まるのです。でも、日本人向けに商品を売りたいのに、いいね!をしてくれたけど読んでもくれない、コメントもくれないような人って「ファン」といえますか? そりゃ効果でないでしょうよ、そこから自サイトに誘導しても。
 今後はいっそういいね!数の重要性が下がってきて、エンゲージメント、親密度や重みといった「質」がより重視されると思います。というかそうなっています。


Facebookマーケティング FBページの8/30の記事に最新の事例が紹介されています。結果だけなので、どういう過程があったのか気になります。そのうち、セミナーとかで開設してもらいたいです。

Facebookマーケティング FBページ
事例概要(PDF) http://fbrep.com//SMB/Luxa.pdf
いわゆる成功例とされるケースのキーワードは「コミュニケーション 」です。GoogleとFacebook広告の違いを理解しつつ、ユーザーとコミュニケートしてブランド認知や取り扱うサービスや商品の良さを伝えることに集中することだと思います。
とすると、FBの活用はスモールビジネスにも向いていると思います。ただしブランド認知が低い場合は、最初はとにかく友人知人、取引先にも宣伝し、広告も出して「いいね!」を集めることが「スタートラインに立つ条件」と思います。

最後にどうでもいい話を。
自分は基本的にものすごく饒舌です。でも、聞かれたことに正確に答えたいあまりに余計な周辺情報をくっつけすぎて、結局何が言いたいのかわからない、伝えたいことが伝わらないことがママあります。猛省です。
別の機会に仕事の話をしていたら、その人も「状況や情報をまだ把握していない人にいっぺんに情報を出しすぎると『うぐっ』となるから最近は聞かれたことだけ小出しに伝えるようにしている」と聞いて納得。

いっそ、海の底に棲む貝になりたいです。

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