2013年5月1日水曜日

【解析いろは4】ソーシャル解析の指標だけでは効果が測れない

ソーシャルの計測は既存の解析ツールの開発がなかなか追いつかないためか、別のサービスを利用するケースが多いようです。Facebookだとインサイト機能、Twitterならクチコミ@係長(http://www.hottolink.co.jp/kakaricho)をよく耳にします。Twitterはbit.lyやTopsyなどの無料ツールもありますが、関連するツィートをアナログで検索して集計して・・・とすごく工数がかかるので、定点観測するのなら絶対有料がおすすめです。

解析の中でもホット(と思われる)ソーシャル解析ですが、ツール間で大体共通している指標があります。
★リーチ:情報の到達度
★エンゲージメント:ユーザーとの接触の密度
★コメント、記事内容のポジティブ/ネガティブ
ツールによって用語定義も内容も様々なんですが概念としてはこんな感じ。アクセスログ解析と異なるのは、立体的といったらいいんでしょうか、ユーザーへの波及効果やその密度、どのような感情でもって受けとめられているかということが明示的に分かる点です。
これまで企業の認知度調査は高い金を払ってアンケートを取る等の方法でしたが、ダイレクトに商品や企業へのリアクションが把握できるようになったわけです。ソーシャルを使っている人という限定的な範囲ですが、ウェブのアプローチとトラフィックの効果を考えるとそれで充分じゃないでしょうか。そもそもネットを利用してアプローチしない層が顧客の場合、問題にならないわけですし。
ダイレクトという利点の反面、解析は自前でやらなくちゃいけないとかネガティブやクレームにも対応をしっかりしなければファン離れを起こすという点もよく理解しておかねばなりません。いいも悪いも含めて真摯にユーザーと向き合う覚悟をもつことが、ソーシャルツールの利用ですよね。

で、指標の話に戻ります。ソーシャルの指標はアクセスログ解析の指標ほど細分化されていなくて一見明快!ですが、いざ報告書にまとめると結果がわからないことが多いのです。実際、報告書を見て「これが、どういう影響を及ぼすのか?」というリアクションが出てきます。
 リーチも、エンゲージメントも、コメントの内容も、どのように判断するかという基準が提示されていないからわからないのです。

『今回の計測ではリーチは●回でした。リーチを今回より5%増やすようにしましょう、そうすれば御社の提供しているサービスの認知度があがります。』

こういう記述は一見、伝わるようにみえて、すっかすかなんですね。下記の流れがないと上の文章は意味がないと思います。
まず最初にソーシャルで何をしたいか(ゴール)、それを達成するための個々具体的な目標(KSFとかKPIとか。上記の例だとKPIは『リーチを5%増』)があって、それらを測る指標にはリーチ数というのを用います。という思考です。
ゴールとKSF、KPIが共有されていれば 上記の結論だけで通じますが、「よく効果がわからない」というリアクションが出る場合は共有されていない、あるいは設定していないと考えられます。指標や用語の定義がわからないというITリテラシーを解決することとは別問題なのです。

アクセスログ解析と同様、ソーシャル解析も指標だけで結果を測ることはできません。指標は確固たるものですが、しかしその数や捉え方はFBページの運用者次第です。コメントのポジティブとかネガティブの判断基準も同じですよね。一見ネガティブに見えてもヘビーユーザーだからこそ愛着と改善を望む声とか。
ネットやソーシャルをよく知らない人にこそよくわかる報告を、判断基準などの設計をまず考えること。が解析する側の任務だと思います。

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